この日の宿泊は、ソガコフェのE氏の自宅から5分にあるホテル。私がマラリアの媒介の蚊を気にしていることを知っているE氏、ボルタ川から離れたオープンしたばかりのWillago Lodgeを予約しておいてくれた。エグゼプティブルーム一泊90ガーナセディ―(2,200円)と相場と比べて安くはないが、設備が新しいので文句は言えない。
アフリカ、特に西アフリカへの渡航で気にしなければならないのはマラリアだ。
(私の協力隊時代の知識が現在も通用するのであれば、)マラリアには予防接種は存在せず、罹患した場合の対処療法しかない。協力隊のツワモノは「マラリアはアフリカの風邪みたいなもの」と強ぶるが、初期対応を間違えればマラリア原虫が脳に侵入し命を落としかねない。
同時期のガーナ協力隊隊員の中にはマラリアが重症化してしまいフランスに緊急輸送された隊員やマラリアのために活動が上手くいかず首都の隊員出張所(ドミトリー)の主のようになっていた隊員(ドミ隊員と呼ばれていた)もいた。
私は協力隊時代に3度罹患した。全て学校の長期休暇中である。授業がある間は気が張っているのか、その期間中にマラリアに罹患はしなかった(そのお陰でマラリアを理由に学校を一度も休まなかった)。症状は風邪症状及び高熱である。協力隊事務局から支給されている小型ナイフとプレパラートで指先から血を採取し、病院に持っていくとマラリアかどうか判定してくれる。
マラリアということが判定されると「クロロキンロード」が始まる。服用量は忘れてしまったが数日間朝晩にクロロキンの錠剤を飲み続ける。このクロロキンという薬、1950年代に網膜を痛めるということで日本で薬害事件になった曰くつきの薬であり基本的には日本では手に入らなかった薬とのこと。そのような薬が何故協力隊隊員に薦められていたかはよく分からない。なおクロロキンが効かなかった場合(マラリアが治らなかった場合)は、更に強い薬へとレベルアップする。記憶は定かではないが、以下のような感じだったような気がする。
[危険レベル1]クロロキン
[危険レベル2]メフロキン
[危険レベル3]ファンシダール
[危険レベル4]アンテスネート
[危険レベル5]キニーネ
※18年前の記憶及び日記に基づく情報であり全くの信ぴょう性なし
幸いにも私は全てのマラリア罹患時は[危険レベル1]で治すことができた。
マラリアに罹患した場合、数時間ごとに高熱の症状がでるが、最も危険なのは一発目の高熱。この高熱への対応を間違えると命に係わる事態に陥ってしまう。協力隊事務局はこの「一発目の高熱」の症状を抑えるために、毎週一回クロロキンを飲むことを推奨していた。協力隊活動後半に薬剤師の協力隊隊員が「クロロキンを毎週飲むなんて自殺行為だ」と言っていたのを聞いてからクロロキンを摂るのをやめるが、やめるのが遅すぎたような気がした。既に現在私の身体に何らかの影響(薬害)が出ているのかもしれない。
さてWillago Lodge、ドアや窓のネットがしっかりしていて、蚊の侵入はなさそう。ベットに蚊帳がなくても平気だ。ホテル一階のバーでハイライフがガンガンにかかっている。普段ならウルサイと思うが、この日はガーナ再訪一日目の夜。懐かしくて心地よい音楽を聴きながら眠りについた。
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